【完】もう一度、キミのとなりで。


だけど、加奈子ちゃんは嫌な顔をすることなくただ笑ってくれて。


「あははっ!やだ、別に謝らなくても大丈夫だってば」


「本当にごめんね……」


泣きそうな顔で謝る私の肩をポンと叩いた。


「いやいや、だって碧空くん超人気者だもんね。

蛍が言えなかった気持ちもわかるよ」


「加奈子ちゃん……」


本当に、なんて優しいんだろう。いい子なんだろう。


涙が出てきそう。


「なんか蛍も急に注目されちゃって大変だよね。

でも、別に悪いことしてないんだから堂々としてればいいよ。周りの目なんか気にするなっ!」


そう言って励ましてくれる加奈子ちゃんが女神のように見える。


わけもなく罪悪感を感じていた私だけど、『悪いことしてないんだから』というその言葉に救われた気がした。