【完】もう一度、キミのとなりで。


「なんか言いなよ」


そう言われても、言葉が出てこない。言い返す言葉が何もない。


そしたら美希ちゃんはため息をついて、また大きな声で怒鳴り散らした。


「あーもう、あんたみたいな人が一番イライラするっ!!」


そのままバン!と勢いよくドアを開けて去っていく彼女。


私はその場に取り残されて、呆然と立ち尽くす。


どうしよう……。何も言えなかった。


また彼女を怒らせてしまった。


……私、やっぱりずるいのかな?


碧空くんに告白されてうれしくて、完全に浮かれてたけど、冷静に考えたらこんなのムシがよすぎるのかもしれない。


昔、彼のことをあんなに傷つけたのに。今さらやっぱり好きなんて言う資格、私にはないのかな。


幸せだった気分が、一気にどん底へと引きずり込まれる。


閉じ込めていた嫌な記憶があふれ出してきて、頭の中がどんどん不安でいっぱいになって。


ますます自分がどうしていいのかわからなくなってしまった。


.





.