【完】もう一度、キミのとなりで。


そしてある日、俺はたまたま職員室で蛍と担任が進路について話しているのを耳にする。


蛍は隣の市にある少し離れたS高を受験すると言っていた。


偏差値の高い私立の進学校だ。少し遠いのでうちの中学からはあまり受ける奴がいなかったけれど、あえてそういう学校を選んだんだろう。


当時近くの公立を受ける予定だった俺は、それを聞いて悩んだ。


蛍はたぶん、頭がいいからS高に受かるはず。


俺も、S高に行けば蛍と離れずに済む……?


しかも、S高はサッカー部もそこそこ強くて、私立だから施設が充実してる。


猛勉強すればなんとか俺でも受かることができないだろうかって。


無謀だとは思ったけれど、それから俺は死ぬ気で頑張った。