【完】もう一度、キミのとなりで。


三年生になると、蛍はまた友達と過ごすようになったし、碓井たちとクラスも分かれて少し元気になったように見えた。


俺はこれでよかったんだと思う反面、どこか後悔する気持ちもあって。


あの時彼女を守ってやれなかったこと、ちゃんと支えてやれなかったことを今さらのように悔やんでいた。


日に日に募っていく想い。断ち切れない未練。


相変わらず落ち込む俺に友達は「また新しい彼女作ればいいじゃん」なんて簡単に言ったけれど、俺には考えられなかった。


新しい恋なんてできるわけがない。他の誰かを好きになるなんて絶対に無理だ。


……やっぱり俺は、蛍が好きだ。


どんなにもう遅いと言われても、無謀だったとしても、もう一度俺の前で笑ってほしい。俺が彼女を笑わせたい。


いつからかまたそう思うようになった。


このまま卒業して離れ離れになるなんて、会えなくなるなんて、そんなの耐えられない。