【完】もう一度、キミのとなりで。


その後、俺は蛍に自分から関わるのをやめた。


俺たちが別れたという噂はすぐ学年中に広まったし、俺との関わりさえなければ、蛍がいろいろ言われることもなくなるだろうと思った。


そして案の定、周りの蛍に対する関心はだんだんと薄れていき、俺たちの噂をする奴もいなくなっていく。


女子たちからの無視が落ち着いたらしいと友達から聞いた時は俺もホッとした。


これで蛍も少しは元気を取り戻せるかなって。


だけど、俺の中で彼女への気持ちが消えることなんてなくて……結局ずっと忘れることができなかった。


いつだって考えてしまう。思い出してしまう。


気が付いたら蛍のことを目で追っていたし、いつも彼女の姿を探していた。