俺たち二人の間に何かあったわけじゃない。
お互い好きじゃなくなったわけでもない。
だけど、俺と一緒にいる限り、この先もずっと、蛍は傷ついて苦しむんだっていうのなら……。
別れたくないだなんて、俺のエゴなのかもしれない。そう思った。
彼女のためには別れを受け入れるしかないのかなって。
これ以上、俺のせいで辛い思いをさせたくなかった。
蛍は俺が頷いたら、「碧空くんと付き合えて幸せだった」と言ってくれた。
正直別れるのは死ぬほどつらかったけど、俺はもう、そう言ってもらえただけでいいやと思った。
蛍が俺と付き合って、少しでも幸せだと思ってくれていたのなら、彼女の中でいい思い出として残ってくれるのなら、もうそれでいい……。
最後に交わした長いキスは、今でも忘れられない。
俺にとって初めての本気の恋が終わりを告げた。
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