「……碧空くん、別れよう」
告げられた瞬間、体中が凍りつくかと思った。
信じたくなかった。どうしてこうなるんだって。
俺はどうにか考え直してほしくて、必死で説得しようと頑張った。
どうしても別れたくなかった。彼女を失いたくなかった。
蛍は、俺のことをもう好きじゃなくなったのかと聞いたら「そうじゃない」と言っていた。
だからなおさら納得できなかった。
お互い好きなのに、どうして別れなくちゃいけないんだよって。
俺に迷惑がかかるとか、そんなのはどうでもいいから。俺はいくらでも苦労していい。蛍と一緒にいられるだけでいいんだって。
だけど、彼女の心はもう限界だったんだ。
「でもっ、辛いの……。
もう色々、耐えられなくなっちゃった……っ」
ボロボロ泣きながらそう言われた時、俺はもう何も言い返せなかった。
たぶん、俺が思っていた以上に蛍は傷ついて、思いつめていたんだと思う。



