【完】もう一度、キミのとなりで。


でも、それ以降蛍への嫌がらせはおさまったらしく、蛍も一時的に元気を取り戻したので俺は安心していた。


これでもう大丈夫だって。


だが、そういうわけにはいかなかった。


また日に日に蛍の元気がなくなってきて、おかしいなと思っていたら、ある時彼女がお昼を一人で食べている事に気が付いた。


いつも友達数人と一緒に食べていたはずなのに。


不思議に思って聞いたら、その子たちはお昼に部活の集まりがあってしばらく一緒には食べれないんだと言っていた。


もとから口下手で友達の少ない蛍。


一度、俺の家に来た時に話してくれたことがあった。


『私ね、昔から話すのが苦手で、誰とでもすぐに打ち解けることができないの。

あまり特別仲のいい友達もいないし……。だから碧空くんがうらやましい』