「あ、あの……っ、よかったら、これ使って……」


よく見たらそれは絆創膏で。


ビックリしたのはもちろんだけど、それ以上にすごく感激した。


だって、ものすごく人見知りっぽい彼女が、俺がケガした事に気がついて、わざわざ自分から絆創膏をくれたんだ。


顔を真っ赤にして、手を震わせながら。


彼女なりに勇気を出して声をかけてくれたんだってわかった。


「うわっ、マジで?準備いいな。ありがとう!」


俺が大げさに喜びながらそれを受け取ると、ますます顔を赤くする彼女。


「い、いえ……血が、出てたから……」


照れている顔はちょっと可愛かった。


「じゃあ、使わせてもらうな」


そして、さっそく俺はケガの部分に貼ろうと思い、もらった絆創膏をはがして貼り付けてみる。


だけど、右ヒジなので左手で貼るしかなくて、不器用な俺は利き手じゃないためうまく貼れずに苦戦してしまった。