彼はそう口にすると、そっと腕を緩め、私をじっと見下ろす。


そして、真剣な顔でこう言った。


「蛍、もう一度俺と付き合って」


……ねぇ、これは現実なのかな?


もしかして私、夢でも見ているんじゃないかな。


ドキドキしすぎて苦しい。胸が熱い。


碧空くんは、ずっと私のことを想っていてくれたの?


あんな別れ方をして、たくさん彼を傷つけたはずなのに。


どうしよう、嬉しい……。涙が出てきそう。


でも、なんて答えたらいいの。これは、OKしてもいいのかな?


だって私、彼のこと一度振ってるのに……。


「え、えっと……っ」


心の中では嬉しくてたまらないはずなのに、どこか戸惑う気持ちもあって、それをうまく言葉にできずにいたら、碧空くんが私の頭にポンと優しく手を乗せてきた。


「……って、急に言われてもやっぱ困るよな」


まるで私の心を読んだみたいに。