【完】もう一度、キミのとなりで。


お昼を食べた後は館内をまたブラブラと一緒に見て回った。


碧空くんはその間もずっと手を繋いでくれていて、まるで付き合っていた頃に戻ったみたいだった。


楽しくて、時間が過ぎるのがあっという間で、このままずっとここにいたいなぁ、なんて思う。


だけど、もう少しで全部見終わってしまう。


そんな時、すぐ後ろから誰かに声をかけられた。


「あのー、すいません」


振り返ってみると、立っていたのは大学生くらいの若いカップル。


その彼氏さんがスマホを片手に碧空くんに話しかける。


「よかったら、写真撮ってもらってもいいですか?」


どうやらそのカップルは私たちに写真撮影を頼みたかったみたいで、碧空くんは快くそれを引き受けていた。


「あぁ、いいですよ!」


「ありがとうございます」