だけど、そんなふうにボーっとしていたら、段差のところでうっかり躓いてしまって。
「……きゃっ!」
そのまま転びそうになったのを、碧空くんがとっさに支えてくれた。
「大丈夫か?」
「あ、うん。ごめんねっ」
なにやってんだろう。本当にバカだ。
慣れないヒールのサンダルなんて履いてくるから。
すると、碧空くんがそんな私を見ながら笑いだして。
「ぷっ、蛍ってやっぱ危なっかしいよな」
「う……」
相変わらずドジだと思われてるのかなと思ったら恥ずかしくなる。
だけど次の瞬間、突然右手が温かいものに包まれて。
何かと思って見てみたら、なぜか彼が私の手を握っていた。
わぁっ、なんで……?



