【完】もう一度、キミのとなりで。


碧空くんも隣で目をキラキラさせながら水槽を眺めていて、それを見たらなんだか私まで嬉しくなった。


私の好みで連れてきてしまった水族館だけど、碧空くんも楽しそうにしてくれてるからよかったな。


「ねぇねぇ、この魚可愛くない?」


「ユカのほうが可愛いよ」


「やだ~っ」


すると、その時ふと近くから楽しそうな声が聞こえてきて、見てみると同じ高校生くらいのカップルが仲良く並んで水槽を覗いていた。


見渡すと周りには他にもカップルがたくさんいる。


みんなしっかりと手を繋ぎ合って、幸せそう。


私と碧空くんもはたから見たらそんなふうに見えるのかな?思わずそんなことを考えてしまう。


バカだなぁ、私。彼とは今はただの友達だし、今日のこのお出かけだって特別な意味はないはずなのに……。