そのゴミとやらを手でつまみあげると、下にポイっと捨ててくれた。
「あ……ありがとうっ」
お礼を言いながら、恥ずかしくてまた顔が熱くなる。
そしたら矢吹くんはフッと笑って、それから「バーカ」なんて言いながら、その場を去って行った。
……バカって言われちゃった。
意地悪なんだか優しいんだかよくわからない人だなぁ。
すると、その後ろ姿を見送りながら、加奈子ちゃんがつぶやいた。
「……なんかさぁ、矢吹くんっていつも何かと蛍にちょっかい出してくるよね」
「えっ、そう!?」
「うん」
思いがけないことを言われてドキッとする。
そうかな?自分ではまったくそんなふうに思ったことなかったけど。



