ハッとして振り向くと、そこにはなんと、ひどく驚いた顔でこちらを見ている碧空くんの姿があった。
ウソッ……。今の見られちゃった?
「えっ、やだ、碧空くん!?」
「やば……」
慌てる碓井さん達。
碧空くんは急いでこちらへ駆け寄ると、私のすぐそばまで来て腕を掴み、聞いてくる。
「蛍、大丈夫か?」
私は一気に頭が真っ白になった。
……どうしよう。よりによってこんな場面を碧空くんに見られてしまうなんて。
碓井さん達にいじめられていたことがばれてしまう。
それだけは絶対に避けたかったのに……。
「なぁ、今のなんだよ」
碧空くんは私をかばうように前に立つと、鋭い目で碓井さん達をにらみつけ、問いただす。
さっきまではあれだけ偉そうにしていた彼女たちだけれど、明らかに怒っている彼を目の前にしたら、急に顔を真っ青にして黙りこくってしまった。



