【完】もう一度、キミのとなりで。


ビクッとして固まったまま目を見開く私。


あれ、どうしよう。怒らせちゃった?


だけど次の瞬間いきなり体がグイッと引き寄せられて、気が付いたら彼の腕の中にいた。


「蛍はダメなんかじゃない。こんなことする奴がおかしいんだろ」


碧空くんの腕が私をぎゅっと強く抱きしめる。


「俺は蛍が好きだから、蛍がいいから、付き合ってるんだよ。わかってる?」


耳元で響く彼の言葉に、胸の奥がジーンと熱くなって、また涙があふれてきた。


「碧空、くん……っ」


「辛かったよな。気付いてやれなくてごめん。

でも大丈夫。俺が絶対に守るから」


そう言って腕を離すと、私を見下ろすようにじっと見つめてくる彼。