ひどく焦った。どうやってごまかしたらいいんだろうって。


「あ、うん……。あの、ちょっと用事を思い出しちゃって……。

碧空くん、先に行ってていいよ」


今にも泣き出しそうだったけれど、必死で笑顔をつくろって話す。


だけど、碧空くんもさすがにそれは不自然に思ったみたいで。


「え、用事?」


「あ、うん」


「じゃあ俺も付き合おっか?」


「だ、大丈夫だよっ!」


なんて言いながら、上履きを隠すかのように下駄箱に背中を張り付けた私を見て、碧空くんが顔をしかめる。


「てか、もしかしてなんか、隠してる……?」


「あっ……」


そして結局、それは見つかってしまった。


下駄箱の中を見た瞬間、驚きの声を上げる彼。


「……っ!な、なんだよこれ!

誰がこんなこと……」