だけどある日……。
「……っ!」
朝、碧空くんと一緒に登校してきたところ、下駄箱から上履きを取り出そうとしたら、中から何かがぽろっと落ちてきた。
紙くずのようなもの。
ドキッとして中を確認してみると、上履きの中にはゴミがたくさん入っていて、もちろんすぐに何の事だかわかった。
……まただ。きっと、碓井さんたちの嫌がらせだ。
だけど、今回はそれだけじゃなくて、どうやら上履きにも何か書かれているみたいで……その言葉を見た途端ギョッとした。
“ぶりっこ”、“のろま”、“地味女”、“柊木碧空と別れろ!
油性の太いペンで全面に落書きされている。
さすがにこんな上履きを履くことはできないし、だからと言って先生にも言えない。
どうしていいかわからなくて、その場でしばらく途方に暮れてしまった。
すると、その横から碧空くんが声をかけてきて。
「どうした?蛍。上履き履かないの?」



