もちろん、こんな嫌がらせをされていることは碧空くんには言えなかった。


だけど、だんだんと私も学校で元気にふるまうことができなくなって、それには碧空くんも気が付いて心配してくれた。


「蛍、大丈夫か?なんか悩んでる?」


「だ、大丈夫だよっ。なにもないよ」


「でも最近の蛍、元気ないだろ」


「えっ、そうかな?」


「俺でよかったら話聞くし、頼ってくれていいから。

困ったことあったら何でも言えよ」


そんなふうに言ってくれる碧空くんの存在はすごく心強くて、その時はまだ、彼がそう思ってくれているだけで大丈夫なように思えた。


碧空くんが私の味方でいてくれる。碧空くんが私を好きでいてくれる。だから大丈夫だって。


彼には知られたくなかったし、余計な心配をかけたくないと思って必死で平気なフリをしていた。