「なんか言えよ」


「どうせぶりっこして色目つかって落としたんだろ」


「ちょっと顔が可愛いからって調子乗りすぎ」


しまいには思いきりドンと突き飛ばされて、私は廊下に倒れ込んだ。


「さっさとフラれろ、バーカ!」


「顔だけ女!」


「あははは!」


捨て台詞を吐き、無抵抗な私をバカにするように笑うと、彼女たちは去って行く。


悲しくて、辛くて、思わず目に涙がにじんだ。


私がダメだから、こんなふうに言われるのかな?


私が碧空くんに不釣り合いなのがいけないのかな?


そう思って自分を責めた。


それからも、嫌がらせはどんどんエスカレートして、物を汚されたり、隠されたり、悪口を書かれたりするようになった。


学校に行くのがだんだん怖くなって。


それまでは碧空くんに会えるのが嬉しくて、むしろ学校に行くのが楽しみなくらいだったのに、一気に毎日が憂鬱になってしまった。