通りすがりに聞こえてくる、『ぶりっこ』、『のろま』という声。
いつもその女子たちが怖くて、目立たないように、ひっそりと過ごしていたつもりだった。
だけど、碧空くんと付き合ったとたん、私は一気に有名人になってしまった。
夏休みが明けたら学年中に噂が広まり、私のことを今まで知らなかった人までがみんな、私のことをジロジロと見てくるようになった。
なにしろうちの学年で碧空くんを知らない人はいなかったから。
下手したら彼は、学年で一番なんじゃないかっていうくらい人気があったと思う。
そんな彼と、こんな地味な私が付き合ったんだから、周りが騒がないはずはなくて。
それはもう、色々と言われた。



