そう言って男子の試合するコートのほうへ駆け出す加奈子ちゃん。
そのうしろを自分も追いかける。
だけど急に走り出したせいか、前をよく見ていなかったので、そこにあったベンチに足をぶつけて、上に乗っていたストップウォッチや試合結果を記録するノートを下に落としてしまった。
「……あぁっ!」
慌ててしゃがんで拾い上げたら、加奈子ちゃんが気付いてすぐに駆け寄ってきてくれて。
「わぁ、大丈夫~?蛍」
「う、うん。大丈夫。ごめんねっ」
あぁ、恥ずかしい。またやっちゃった。
まったくどうしてこうなんだろう、いつも。



