「やばい。あの山下(やました)美希ちゃん、超美人だよね。
サッカー部のアイドルマネ。
結城先輩とも仲いいみたいだし、いいなぁ~」
隣で加奈子ちゃんが羨ましそうにつぶやく。
確かに、あんなに美人で明るかったら、みんなに好かれるだろうし、人気者になれるだろうなぁって思う。
碧空くんの隣にいるのも、似合ってるなぁ……。
「1組はああいうキラキラした人ばっかりだよね~」
「ほんとだねぇ」
そんなキラキラした集団の中心にいる碧空くん。
碧空くんの周りには、昔から人がたくさん集まる。
人気者なのに、気取ってなくて優しくて、男女関係なく誰とでも仲が良くて。
こうして見ていると、まるで別世界の住人のよう。
そんな彼と、一時的にでも同じ世界にいただなんて、今ではもう信じられなくて。
キラキラした彼らの姿を遠目で見つめながら、ちょっとだけ切ない気持ちになった。



