――ピーッ!


笛の音と共に試合が始まる。


シューズと床のこすれる音が鳴り響く。


今回はさすが、勝ったほうのチーム同士なだけあって、どちらも譲らないといった感じの熱い戦いが繰り広げられていた。


中でも特に目立ってるのは、やっぱり矢吹くん……だけじゃない。


もう一人、圧倒的な存在感を放っているのが、碧空くんだ。


碧空くんは中学からずっと今でもサッカー部のはずなのに、現役バスケ部員顔負けの上手さで、そのプレーにはみんな目を奪われている様子だった。


すごいなぁ。本当にスポーツなら何をやっても上手なんだ。


「うっわ~、碧空くんも上手いね!大活躍じゃん!

あの人サッカー部なんじゃないの?」


加奈子ちゃんが感心したように声を上げる。


「きゃーっ!碧空くんすごーい!」


「かっこいい~!」


他の女子たちも口々に騒ぎ出す。


私もその姿を見ていたら目が釘付けになってしまって、ますます胸のドキドキが止まらなかった。