その甘い声にドキッとして振り返ると、碧空くんの目がまっすぐに私を見つめている。


わあぁっ……。どうしたのかな、碧空くん。


なんで急にそんなことを?


あまりにも距離が近くて、ドキドキしすぎて、心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかなんて思いながらも、言われたとおりエールを送る。


「あ……、が、がんばってねっ!」


そしたら彼は満足したようにニコッと笑うと、すぐに手をパッと離した。


「ありがと。よし、やる気出た」


「えっ」


そのままコートへと走り去っていく碧空くん。


「……」


私はその場に固まって、動けない。


胸の高鳴りがおさまらなくて。


ねぇ、なんだったんだろう。今のは一体どう捉えたら……。


どうして私の言葉で、やる気が出たなんて言うの?