「矢吹くーん!頑張れ~!
ほらっ、蛍も応援してあげて!」
「えっ、それはちょっと、恥ずかしいよ……」
「蛍が応援すれば彼もやる気倍増だよ!ほらっ!」
ニヤリと笑う加奈子ちゃんにバシッと肩を叩かれて、断るに断れなくなる。
私の応援なんかでやる気倍増だなんて、そんなことあるわけないと思うんだけど。
「が、がんばれ~っ……」
仕方なく、小さな声でこっそりエールを送ってみる。
うぅ、やっぱり恥ずかしい。
そしたらそこで、偶然にも矢吹くんがこちらを振り返った。
一瞬目が合ってドキッとする。
あれ?
今の、聞こえてた?まさかね……。
すると次の瞬間、彼はジャンプしてスッと腕を伸ばしたかと思うと、涼しい顔でまた一本シュートを決めて見せた。
「きゃあぁぁ~っ!また入れた~!」
「矢吹くーん!素敵~!!」