【完】もう一度、キミのとなりで。


パッと見ただの黒いTシャツだし、誰のものかはわからないと思うけれど、やっぱり男物だからサイズが大きくてぶかぶかだ。


碧空くんがさっきまでこれを着てたんだと思うと、なんだかくすぐったい気持ちになる。


するとその時、前方から人影が近付いてきて。


加奈子ちゃんかな?なんて思って顔をあげたら、違った。


浴衣姿の女の子。……美希ちゃんだ。


あれ?なんで……。


彼女はまたしてもなぜかすごく怖い顔で私を見つめている。


なんだろう。


ドキドキしながら固まっていると、彼女が口を開く。


「ねぇ、そのTシャツ、碧空のだよね?」


「えっ……」


その言葉を聞いた瞬間、ギクッとして心臓が止まるかと思った。


ウソ……。なんでわかったんだろう。


「どうして柏木さんが、碧空のTシャツ着てるの?」