【完】もう一度、キミのとなりで。


軽やかな足取りで中庭へと駆けていく。


すると、サッカー部のブースにはまだ結城先輩の姿があったのでホッとした。


……よかった。これで加奈子ちゃんも先輩に会えるよね。


中庭の隅のベンチに座って一人加奈子ちゃんを待つ。


ちょうど木陰になっていたので涼しくて、時々吹く風が肌に心地よかった。


暇だったので、なんとなくポケットからさっきのスーパーボールを取り出してみたりして。


碧空くんにもらった、うさぎの絵のついたボール。


見ると思わず顔がほころんでしまう。


さっきは嬉しかったな……。


碧空くんは、あのあとちゃんと着替えたのかな。


そういえば、よく考えたら私今、碧空くんのTシャツを着てるんだった。


袖を通したらほんのりと碧空くんの匂いがして、それにちょっとドキドキしたんだっけ。