そう告げると、そのまま教室の入り口まで歩いて行く彼。 そして、ガラッとドアを開けると笑顔で手を振って、廊下へと出て行った。 「それじゃっ」 「うん、ありがとう!」 私はTシャツとうさぎのボールを握り締めながら、ボーッとその場に立ちつくす。 ……胸が、熱い。 濡れたシャツの冷たさなんか忘れてしまいそうなくらいに。 碧空くんが、私のことを助けてくれた。Tシャツまで借りてしまった。 どうしよう……。 どうしてこんなに私、ドキドキしてるんだろう。 . * .