【完】もう一度、キミのとなりで。


そう口にすると同時に私の頭にポンと手を乗せる碧空くん。


その瞬間、思わず顔が熱くなった。


「あ、ありがとうっ」


わぁ、どうしよう……。


これはもう、お言葉に甘えるしかないのかな?


彼の優しさが身に染みて、涙が出てきそうになる。


どうして彼はこんなに優しいんだろうって。私のためにこんな親切にしてくれるんだろうって。


こういうところ、昔とちっとも変っていないんだ。


今はもう、彼女なんかじゃないのに……。


すると碧空くんは急に思いついたように。


「あっ。そういえば、さっきせっかく来てくれたのに話せなくてごめんな」


「えっ」


「ほら、うちのクラスの縁日、蛍来てたよな?」


そう言われて、彼がさっき私が来たのに気付いてくれていたことにビックリする。