ウソ。じゃあ今脱いだのは、そのため?
「で、でもっ、悪いよ……っ」
「いいから。俺は教室に着替えあるし大丈夫」
そう言って私の手にTシャツをぎゅっと握らせる碧空くん。
「でもっ……」
いいのかな。そこまでしてもらって。
「それに、そんなカッコでいたら、さっきみたいにヘンな目で見る奴いるだろ。
そんなの俺が耐えられないし」
……えっ?
その言葉にビックリして碧空くんの顔を見上げると、彼の顔が少し悔しそうに歪んでいる。
どうしてそんな顔するんだろう。
『耐えられない』だなんて、どうして碧空くんがそんなこと言うのかな。
考えたらまた胸がドキドキしてくる。
「だから、風邪引く前に着替えて。
俺のことは気にしなくていいから。なっ」



