【完】もう一度、キミのとなりで。


真っ青な顔で立ち尽くす私を、通りすがりの人たちが変な目でジロジロと見てくる。


みっともなくて、恥ずかしくて、今にも涙が出てきそうだった。


とにかくどこか、人のいないところへ行きたい……。


だけどそう思った時、ふと背後から誰かが近付いてくる気配と共に、突然肩にバサッと何かをかけられた。


「……えっ?」


見るとそれは、大きめのスポーツタオル。どこかのサッカーチームのロゴが大きく入っている。


ドキッとして振り返ると、そこにいたのはなんと……。


「そ、碧空くんっ!」


……ウソッ、なんで。いつの間に……。


私が困ってるのに気付いてくれたの?


碧空くんは私の体をタオルでぎゅっと包み込むと、近くにいたニヤニヤ顔の男子生徒たちを睨みつける。


「おい、ジロジロ見てんじゃねーよ!」