【完】もう一度、キミのとなりで。


投げて遊んでいた男子たちは一言だけ謝ると、逃げるようにその場を去っていく。


私は慌ててポケットからハンカチを出して拭いてはみたけれど、すでにびちょびちょだったのであまり意味がなかった。


ぽたぽたとスカートまで垂れる水のしずく。制服のシャツが透けて、じわじわと半透明になっていく。


すると、近くでそれを見ていた他の男子たちがヒソヒソと小声で囁くのが聞こえて。


「やっべー、スケスケ」


「エロい~。丸見えじゃん。ラッキー」


それを聞いてハッとして、慌てて胸元を両手で隠した。


ど、どうしよう……。これじゃ、下着が見えちゃう。


教室に着替えあったっけ?


でも今日は文化祭だから体操服なんて持ってきてないし、夏服だからブレザーもないし……。


うぅ、最悪だ。こんな姿のままで教室に戻れないよ。