「柏木さん、これ、できあがった分持っていくね!」
「あ、うん!」
その後、シフト時間になった私は、制服の上にエプロンを付け、ひたすら調理実習室でドーナツを焼いていた。
ドーナツと言ってもこれは焼きドーナツなので、揚げるわけではなく、ホットケーキミックスで作った生地を、ドーナツ型のホットプレートのような機械に入れて焼くだけ。
意外と簡単にできるので、その作業自体はとても楽しかった。
ウエイトレスのように華やかな役ではないけれど、一人で黙々とやれるから気がラクだ。
軽く30個くらい焼き上げたところで、いつの間にかシフト時間が終わる。
集中していたらあっという間だった。
「はーい!シフト交代の時間でーす!」



