すぐ隣には、その3倍くらいの人が列をなしているスーパーボールすくいのブースがあって、人気あるんだなぁ、なんて思いながら見ていたら、ふとそこにある人物の姿を発見した。
……あっ、碧空くん。
まさか、偶然にも碧空くんのシフト時間だったとは。
彼は制服のズボンの上に黒いTシャツを着て、その上に法被を羽織りながら接客をしている。
水を張ったプールの前にはちょうど小さな女の子がしゃがんでボールすくいをしていて、優しく笑いかける様子は見ていて微笑ましかった。
「はーい、よくできました!じゃあこれ、お兄ちゃんから一個サービスなっ」
「うわぁっ、うさぎさんのボールだ!ありがとう!」
「おう!またおいで!」



