【完】もう一度、キミのとなりで。


「いらっしゃーい!1組縁日やってまーす!」


「美女が浴衣でお出迎え中でーす!」


1年1組の教室の前まで来ると、さっそく呼び込みをしている生徒が数人立っていて、うちわを片手に声をかけてきた。


女の子はカラフルな浴衣を身にまとい、男の子はTシャツの上に“祭”と書かれた法被(はっぴ)を着ている。


いかにも夏祭りって感じだ。


加奈子ちゃんと共に教室に足を踏み入れると、中はますますお祭りムード全開で、お客さんも多くてすごく賑やかだった。


いろんな出し物があって、迷ってしまいそう。


「わぁ、なんか色々あるよ。何からやろうかな~」


「ほんとだ。迷うね」


入り口近くから全体を見渡してみると、輪投げ、ヨーヨーすくい、スーパーボールすくい、的あての四つのブースがあるみたい。


とりあえず一番すいていた輪投げの列に加奈子ちゃんと並ぶ。