……そんなこんなで、来てしまった。



楓くんの勇姿を一目見たくて、総合体育館へ思わず足を運んだ私。



楓くんがバスケをしてる姿を拝める機会なんて、きっとこの先ないだろうから、十分すぎるくらいに目に焼き付けたい。



観客用となっている2階には、大勢のギャラリーが押しかけていた。



その9割というか、ほぼ10割が女子。



みんな手すりに張り付くようにして、熱視線をコートに注いでいる。



その視線の先には、そう。

「楓くーーん♡」

助っ人として試合に出ている楓くんだ。