【完】君しか見えない



頬に優しく手があてがわれた。



「一生、だれにも渡す気ねぇから」



甘い声でそう囁いたかと思うと、腰を折るようにして綺麗な顔が近づいてくる。



そして、そっと唇が重なった。



やっぱり涙の味がしたけど、それよりも幸せの方が勝っていて。





長い冬を越えて、私は君の隣で春を迎える。












◇ 番外編 fin .