まるでそれは、楓くんの未来の可能性がひとつ閉ざされる行為のような気がして。


その手を止めるように、私は声をあげていた。



「行ってきたらいいんじゃないかな、合コン。
せっかく誘われたんだし」



合コンを促す私の言葉に、一瞬、楓くんが目をすがめた。



「それ、本気で言ってんの?」



……あ。今、楓くんを傷つけてる。



わかっていても、私はわざとらしいほどに明るく振る舞う。



「だって、楓くんみたいなイケメンがいたら絶対盛り上がるもん。
うん、わかるわかる!」



ああ、多分私すごく笑顔が下手だ。