それにしても、楓くんの変貌ぶりにはショックを隠しきれない。



千隼の証言の〝遊び人〟に、ぴったりハマっている。



いつだって、楓くんのまわりには可愛くて美人な女の子の包囲網ができていて。



……あんなに楽しそうにしてるのなら、私のことなんて、もうとっくに忘れてるんだろう。



もしかしたらと覚悟してたとは言え、現実を突きつけられるとさすがに堪える。



あんなにずっと一緒にいた楓くんが、今はすごく遠い。



はぁ、と思わずため息をついた時。


ふと、女の子たちと話していた楓くんが視線をあげ、こちらを見た。



ビクンと心臓が跳ね、思わずしゃがんで壁に身をひそめる。