事故に遭ってからの記憶は、断片的にしか残っていない。



だけど、病院に運ばれ自分が処置される姿をこの目で見てきたのだから、生霊だということは理解してる。



だれも私の存在に気づかないことから、自分がまわりから見えていないということも。



病院にいたと思ったらふっと意識が飛び、次に気づいた時には、楓くんの学校の校門前にいた。



するとちょうど登校してきた楓くんを見つけ、こっそり後をついてきたというわけだ。



それはまるで導かれたかのような、すごいタイミングだった。