「彼女がいるなら、それはそれでいいの。
ちゃんと覚悟はできてる。
でも、楓くんのためになにかするのに、無駄とか損になることなんてないから」



「だから最近バイトやってたんだ。
交通費稼ぐために」



「うん」



真剣な瞳で頷くと、はぁ、と千隼が呆れるようにため息をついた。



「好きにすれば?
泣かされたって知らないから」



「心配してくれてありがとう、千隼」



「心配なんてしてないし!」



ツンデレな弟にくすりと笑うと、私は早速自室に戻って荷造りを始めることにした。



クリスマスイブは、もうすぐ。