懐かしいあの日に想いを馳せた私は、目の前にある楓くんの肩に顔を寄せるようにしてぎゅっと抱きついた。 「……楓くん」 「んー?どした?」 私の呼びかけに返事をしてくれる君が、そこにいる。 触れられるほどの距離にいる。 「へへ、呼んでみただけ」 「えー、なんだよ」 不機嫌そうにそう言ったかと思うと、突然楓くんが駆けだした。 「うわっ!」 「海に落ちても、知んねーからな」 「ひゃー!やめてーっ」 「ははっ、ほら」 「ちょっと、ほんとに落ちるーっ!」