すると十羽は、自分の体の前に回された俺の腕にそっと手を添えた。



「私、楓くんが幼なじみじゃなかったとしても好きになってたと思う。
どんなにたくさんの男子がいても、楓くんを見つけだして、恋に落ちてたよ」



「俺も」



腕を緩めると、十羽が振り返り俺を見上げた。



その瞳には、切実な光が灯っていた。



「……楓くん。明日も、会ってくれる?」



ばーか。いきなりなに言ってんだよ。



「明日も会いたいに決まってんじゃん」



すると、十羽は泣きそうな顔で笑った。



「ありがとう」