「……十羽?」



「おはよう、楓くん」



「……俺、爆睡してた?」



「うん。寝顔はしっかり収めさせていただきました」



「うわ、やらかした」



私が立ち上がると、楓くんも上体を少し起こして、椅子に寄りかかった。



そして、眠気が飛んだしっかり意志のある瞳で私を見上げる。



「つーか、当たり前のように話してたけど、おまえなんでここにいんの?
学校だけど」



楓くんの言うとおり、ここは楓くんの高校。


ついでに言うと、だれもいなくなった放課後の教室。