「でも……下手すぎて幻滅させちゃったら、ごめん」



恥ずかしくて苦笑しながら謝ると、不意にひたいにコツンと楓くんのそれがぶつけられた。



見上げると、楓くんがこちらを睨むような瞳を向けていて。



え? お、怒ってる……っ?



「俺の片想い歴なめんなよ。
おまえが俺のこと全然意識してない時から、バカみたいに十羽のこと想ってたんだけど。
小5くらいん時、楓ちゃんとお風呂入るっておまえがごねた時のこと、まだ根に持ってるからね。
男としてすら見てなかっただろ、おまえ」



「そ、そうだったっけ?」



押さえ込んでいたたかが外れたように、楓くんが過去の不満をぶつけてくる。



だけど、怒られてるはずなのに、まっすぐに想いをぶつけられて、いけないとは思いつつもドキドキしてしまう。



「とにかく。こっちは十年以上、我慢してんだよ。
その俺が、今更幻滅するとでも思う?」



「楓くん……」