するとそんな俺を見て、黒瀬は驚いたように目を丸くして、それから微笑んだ。



「やっぱ、三好変わったな。
昔みたいに笑顔が優しくなった。
長年の片想いが実ったんだもんな。
さぞかしラブラブしてるんだろうな〜」



後半はニヤニヤとだらしなく口元を緩めて、こちらを見上げてくる黒瀬。



やっぱ、そこ突いてくるよねー。



俺は頬杖をついて、ため息混じりにつぶやいた。



「それが全然手ぇ出してねーんだよな」



「……はっ?」



背筋を伸ばし、顔全体いや体全体で驚きを表現する黒瀬。



俺はまたストローを口にくわえた。



「俺にとって、あいつは簡単に手出していい存在じゃないから。
目の前にすると、抱きしめるまででセーブしちゃうんだよね」



「まっじで? あの色男が?
片想い期間長すぎて、拗らせてんなぁ」



「うっせーよ」