今きっと、顔真っ赤だ。



「あんまり……顔見ないで」



恥ずかしさに顔を手で覆うけど、その手も掴まれ、顔から剥がされる。



「やだ、見せて」



からかうような、愉しんでるような声が降ってくる。



頬にかかっていた髪をよける、楓くんの綺麗な指。



経験豊富だからか、その仕草はあまりにも自然で。



髪一本一本に神経が通っているのではないかと錯覚してしまうくらい、楓くんを感じてしまう。



「もっと俺にドキドキすればいいのに。
俺以外にドキドキすんじゃなくて、俺だけに乱されてろよ」



そんなこと言われたら、私ばかだから勘違いしちゃうよ……。



楓くんが顔を近づけ、とどめをさすように微笑んだ。



「もっとドキドキさせてやろっか」