【完】君しか見えない



「だって十羽、目でジョーカー追ってるし」



「えっ、うそ」



「小学生レベルかよって」



楓くんがそう言って笑う。



思わずドキッとしてしまうのは、その笑顔がとびきり優しいから。



なんだか、昨日から楓くんの様子が変だ。



見た目も口調も変わったのに、昔の楓くんがそこにいるみたいで。



ずっと閉じられていた心の扉が開いて、私を迎え入れてくれているかのような、そんな気になる。