十羽への気持ちを自覚したのは、多分このことがきっかけだったと思う。



十羽が作ってくれた料理だったから、ハヤシライスが大好物になった。


十羽をひとりで帰らせないように、どんなに勧誘されても部活には入らなかった。



ずっと、十羽のことしか見てなかった。



コンプレックスだと本人は言う目を含めて、俺は全部が好きで。



これは間違いなく初恋だった。



だれより大切な幼なじみを幸せにするために生きていきたいと、いつしか思うようになっていた。